「嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 幸せの背景は不幸」を読んだ感想を書く
「嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 幸せの背景は不幸」
概要
著者:入間人間。イラスト:左。刊行:2007年6月。以前紹介した「六百六十円の事情」の入間人間さんのデビュー作品ですね。わりとエグミのある内容になってます。僕があんまり読んでこなかったような入間さんの要素が盛り込まれていました。発表当時、影響を受けた作家に西尾維新、乙一、米澤穂信をあげていたとおり、この作品はミステリやサスペンスの色が濃いですね。個人的には作中で主人公の名前が明かされないところに戯言シリーズを感じていたり、叙述トリックがあったりと西尾読者には楽しめる要素がちらほらありそうですね。作品は全10巻で、今年の6月にデビュー10周年を記念して11巻が刊行されていたようです。
感想
読んだ印象はやはり僕が読んできた入間さんの作品とは毛色の違う作品なんだなと感じました。間延びした描写の影にチラつく不気味な過去。終盤に進むにつれて増していく緊迫感。それでも抵抗無く受け入れられたのは、それが西尾維新や乙一の作品からきている要素だからなんでしょうか。僕は西尾維新は戯言シリーズ、米澤穂信は小市民シリーズが好きです。乙一は「失われる物語」しか読んだことがないですが、あれも印象深い作品でした。そういう意味じゃ僕の好きな要素しかない作品です。あるいはだからこそ、行き着いた作品とも言えるんでしょうね。シリーズを通して大きな物語というよりは、一冊で話が一度まとまっているので、逆に先が気になりますね。
そんな感じに、しばらくは読書関係の記事は書かないつもりだったんですが、ふとしたきっかけに読んだので書いておこうと思いました。
(最終更新:2018/07/31)