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やぎ座のヒトリゴト

僕の思ったことを書いていきます。雑記ブログです。

変わらない日々を願っていた

「変わっていくことが悲しい」と、わりと最近まで思っていました。

祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。平家物語が語り継がれた時は今から何百年前の頃だったでしょうか。僕なんかが生まれる遥か昔から「変わらない物など無い」と詠われていたにも関わらず、それでもやっぱりそこに無念を感じてしまうことが多かったです。「変わっていってしまうことが悲しい。ずっと今のこの時間が続いていけばいいのに。」そんな子どもじみた願いを口には出しませんが心の内に秘めていました。

先を見ることに疲れていたのだとか、失って傷つくことに怯えていたとか、理由っぽい理由を探せばそれなりの物が出てくるには出てきます。でも、それを今の自分は克服しているかと考えると、全くそんなことはなくて、今もその頃も僕は僕のままで、そんなに変わらない毎日なんですよね。何か、ちょっとした事件をキッカケに、その時僕の中でスイッチが切り替わった。「スイッチ」なんて言葉を使うとどこか都合が良くて好きくないですね。それを節目にほんの少し考え方を改めるようになったんです。切り替わったスイッチは小さな小さな、脳の片隅の奥の方で流れてる電気信号の分かれ道。切り替わったところで僕の生き方もスタイルもほとんど何も変わりません。でも、あの時僕は「終わらせた方が良いものもあること」を確かに知った。

きっと、こういう小さな変化を繰り返して人は変わっていくのだなと思います。変わらないままに変わり続けて、そうしてある日、いつも僕の隣にいる友人は何気ない瞬間に全く別人のような顔を見せる。「変わらない日常」を夢見ていた自分はどこかへ行ってしまいました。潰えた夢の抜け殻を背に、僕はどこかへと歩き出します。